
■■■VANILLA■■■
ライナーノーツ
MAXIシングル『VANILLA』
01| VANILLA
02| VANILLA(Low-Fat Version)
03| 秘密の7つの夢(Eighth Dream Version)
04| FUTURE TOY(Inazma Mix)
05| VANILLA(After Main Dish Mix)
06| VANILLA(Back Track Mix)
松岡英明の新曲は今後の音楽シーンの方向性すら予感させる
日本人のDNAを強く刺激する「懐かしくて新しい」要注目楽曲だ。
今、時代が渇望している30代・40代までをもターゲット層としてカバーできる音楽。
新曲「Vanilla」は、そんな的の中心を射抜ける
「次世代歌謡曲」とでも呼ぶべき甘い香りに満ちている!!
■■■山田道成■■■
21世紀の到来と共に、もはや「メジャー>マイナー」といった図式の崩壊した感のある日本の音楽シーン。そんな中、自らインディという扉を開け、新たなステップへと踏み込んだ松岡英明。2003年初頭にインディーズ第一弾アルバムとしてリリースされた『Future Toy』で、改めて自身の音楽スタイルを確固たるものとして提示した彼が、自らの進むべき方向性をジックリと模索した上で、新たに提示してきたのが、このシングル「Vanilla」である。
“今回、新しい冒険のつもりでトライしたテーマのキーワードはズバリ「歌謡曲」”という言葉を本人からインフォメーションされていたので、曲を耳にする前は“さぞやタイトルのごとく甘~いLove Songなんだろう…”などと想像していたのだが、実際に飛び込んできたのは、むしろ毒気のような危険な香りさえ漂う刺激的かつ妖艶なナンバー…。正直に言ってちょっと鳥肌すら立ってしまった。
“こういう新しいトライができたのは、無理し過ぎず目標をワン・ステップづつクリアしてきた結果なのかも…。『Future Toy』を作り終えるまでは「今までと違う環境の中で、自分らしいサウンドをちゃんと形にできるだろうか?」といった漠然とした不安を抱えていたんですよね。なので、まずはとにかく今までの松岡サウンドをもう一度っていう作品づくりを第一に考えていたんです。そして、なんとかその第一目標をアルバムとして総括できたことで、初めてもう一歩踏み込んで「次は今までと違うことをやってみたい」と思えたんです。というか、今までも本当はやりたかったはずなのに、どこか気恥ずかしくて出来なかったことをやりたくなって…。それが僕にとっては幼少期から多大な影響を受けていた「歌謡曲」だったんです。ちょっとパンドラの箱を開けてしまうような感覚になりましたけどね。”
そんな彼の新たなる挑戦を楽曲のキーにしつつ、さらに「味や香りを連想させるもの」という、もう一つのテーマが付加されて生まれたのが「Vanilla」だという。なるほど、確かにこの曲は強い香りが漂う曲だ。それも単にタイトルから連想するような甘い香りだけではなく、むしろかなりクセのある危険な香りさえ漂っている。そういった感触からも「Vanilla」は、これまでの松岡英明にはあったようでなかったタイプの曲であるとハッキリと言えるだろう。
“今回、バニラを選んだのはまさにそこなんです。バニラには単に甘いということ以上に物凄く香りを主張しているイメージがあったんです。他にも例えばバニラの白さからは汚れのない清らかなイメージも持てると思うんですけど、それは同時にこれから汚れてしまうかもしれない危うさもはらんでいたり、放っておくとすぐ溶けてしまう儚くてもろいモノの象徴にも思えたり…バニラには、そんな不思議な魅力やストーリー性も感じられたんです。”
今回のシングルを制作するにあたり、多くの候補曲があったという。しかも、その中には「Vanilla」以上に好きな曲も含まれていたそうだ。けれど、今回あえてこの「Vanilla」をここでシングルにしたのは、次の時代の香りを敏感に嗅ぎ分ける彼独特の直感力やセンスによる選択があったに違いない。
1986年に、アイドルのようなルックスで英詩曲という鮮烈なデビューを飾った18歳の少年も、今は36歳。デビュー前に生きてきた年と音楽活動してきたアーティストとしての年齢が同じになった。そんな節目の時期に色々な意味で強い主張と香りを放つ「Vanilla」を選択したことはまさに大正解だ。デビュー当時、その才能と甘いルックスで若き日のジュリーや原田真二の再来をも予感させた彼が「洋楽コンプレックス」や「アーティストとアイドルとの隔たり」といった日本の音楽シーンがずっと背負ってきた長い呪縛から解き放たれるかのように導き出した新たなる方向性には、実は彼自身が考える以上に我々が大きな期待と興味を持って注目するだけの価値がある重要なキーが隠されているのかもしれない…。
予定では年内にもう一枚シングルを挟み、2005年にはいよいよフルアルバムとなって彼の見い出したヴィジョンの全貌が明らかとなる。まずは彼のNext Big Song=「Vanilla」で、そんな次の音楽シーンを予感させる「懐かしくて新しい」甘く危険な香りを体感して欲しい!
〈2004.04.19. MICHINARI YAMADA〉

